オールステート:デジタル改革へのクラウドファーストアプローチがもたらした成果
特集Jan 09, 20241分 クラウドコンピューティングデジタルトランスフォーメーション 保険会社は、顧客エクスペリエンスを強化・促進する次世代の業務プロセスに合致したコアアプリケーションの再構築によって、クラウドネイティブを進めています。 ほとんどの企業は、レガシーアプリケ―ションからクラウドへの移行によって、デジタルジャーニーを始めています。作業負荷をリフトアンドシフトすることがクラウド独自のサービスや機能の迅速な開始につながるという理論です。 しかし、住宅・自動車保険会社のオールステートは異なるアプローチを取っています。同社のEVP兼CIOであるズルフィ・ジーバンジー氏は、次世代の業務プロセスと現代のITプラットフォームを構築してアライメントを図るには、一から構築することが最善の方法だと確信しています。氏はDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けてクラウドファーストのアプローチを取っており、その過程でレガシ―システムをすべて排除しています。 その結果生まれたのがテクノロジー主導のビジネス戦略であり、「とてもパワフルなものだ」と氏は述べています。 イリノイ州に本拠地を置く保険会社のノースブルックは、DX促進に向け、業務プロセスのポートフォリオ全体を見直すために、保険金請求処理、セールス、サポート、プランのコアアプリケーションを再構築しましました。すべて顧客エクスペリエンスの強化と促進を目標としています。同社によると、業務プロセスのほぼ40%がデジタル化され、顧客満足度の重要な尺度である保険金請求の提出時間が4分から43秒に減少しました。 オーステートは、プロセスのデジタル化とは別にマルチクラウドアーキテクチャを系統的に採用しています。コンテナと開発は主にAWSをベースとし、AIに特化した作業負荷はGoogle BigQuery、Vertex、およびMicrosoft Azure GenAIをベースにしています。 多くの企業が同様のアプローチを取っています。新たなインサイトを得てより優れた業務成果を挙げるために、生成AIパイロットアプリケーションにはBigQueryとVertexを使用しています。グーグルが近頃開催したGoogle Nextコンファレンスにおいて、ロレアルとショッピファイは、生成AIパイロットでBigQueryを使用して、業務プロセスの促進と最適化を行っていると発表しました。 オールステートのジーバンジー氏は、ITインフラと新たな業務プロセスを連携する重要性を理解した同社の上層部の功績を評価しています。デジタル業務への切り替えによる利益を最大化し、リスクを最小化するために再構築する必要があったのです。そしてすべてはクラウドファーストのアプローチで実行されましました。 「クラウド上での実行を念頭に構築され、設計されました。オンプレミスでの実行は配慮されていないのです」と氏は述べています。 保険金請求処理方法の見直し オールステートはいろいろな意味でデジタルジャーニーを始めたばかりです。「帳簿」に計上された請求処理のわずか3%から4%のみがクラウド上で処理されており、ほとんどのデータは保険会社が一般的に使用するオンプレミスのXMLデータベースで処理されています。しかしながら先進技術とビジネス近代化の青写真は確固たるものであるとCIOは述べています。 北米、北アイルランド、インドにスタッフを擁するオールステートのグローバルITチームが、インフラと新たなプロセスを開発しました。まずオールステートの本拠地であるイリノイ州で9か月導入して、新たなデジタルエクスペリエンスに対する顧客の反応を確認した後、テネシー州で展開しました。同社は今年度、自動車保険の直接販売を通して米国の約3分の1でこれを立ち上げる予定です。 ...
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